今日は、シアトルのダウンタウンから南に11kmほど下ったところにある航空博物館をご紹介します。
西海岸では最大かつ最も完成度の高い航空機を所蔵していることで有名なこの博物館ですが、学生旅行向けツアーでは多くの場合「Boeing Factory Tour」(ボーイング工場見学)に行くため、ボクもなかなか行く機会がなく、今回初めて行って来ました!
Future of Light
目次
基本情報
エントランスから大型旅客機がお出迎えしてくれる”ザ・飛行機の博物館”。
毎年50万を超える来館者を誇る飛行機の博物館にはライト兄弟から戦闘機、大統領専用機まで175を超える航空機が展示されています。
入館料は18歳以上の大人が$23、5歳から17歳は$14など(詳しくは下記表)。
オンライン購入 | 当日券 | |
Child (4歳以下) | FREE | FREE |
Youth (5-17歳) | $13 | $14 |
Adult (18歳以上) | $21 | $23 |
Senior (65歳以上) | $18 | $19 |
Museum Members | FREE | FREE |
事前に行く予定が立っているなら、オンラインで事前購入するのが$2節約になります。また、これらは入館料で、館内には別途費用が発生するアトラクションがいくつかありますのでもう少し予算を考えて訪れる方がいいかも知れません。
GREAT GALLERY
広大な敷地内、まずは「GREAT GALLERY」から見学しました。入館してすぐの大きな展示室です。(上の地図、飛行機のシルエットがあるすぐ後ろがエントランスです)
大きな展示室にたくさんの飛行機/航空機が下にも上にも展示されています。
パッと見で時代がわかるほど詳しくないのですが、時代は感じます(笑)。
とはいえ、それぞれの飛行機にはこうした説明書きがあるため、例えばこいつなら、郵便を運んでいた飛行機だとわかりますし、1918年ごろ活躍していたことなど、色々知ることができます。
ふむふむ、確かに機体に「U.S. MAIL」と書かれています。100年前は郵便をこういう飛行機で運んでいたんですね。
物理は高校卒業可能なレベルしかわからないため、よくわかりませんが、飛行機のプロペラって、だいたい前についているパターンか、両翼についているパターン、どっちかかなーと思っていたのに、こいつは両方に、、、うーん、難しい。
飛行機が好きな人、こういう系に興味・関心が強い人なら1日中いても見尽くせないという量の展示・情報が並んでいます。
この展示室、天井は半透明のガラスなので、外光が入って照明なしでも明るくなっています。この日は雨模様でしたが、結構明るい。
軍用機と見受けられる機種もいくつか展示されていて、プロペラ機から、ジェットエンジンの機種まで、幅広いラインナップとなっています。
赤い飛行機を見ると、「紅の豚」を思い出しますね。
Spacecraft Area
「GREAT GALLERY」の一角にある「Spacecraft」エリア。宇宙関係の展示室もあります。
今の若い人にはもう馴染みがないかも知れないスペースシャトルはもちろん、アポロの着陸船や、逆に、最近のものとしては、国際宇宙ステーション(ISS)のラボモジュール(モック)が展示されています。
普段なかなか見る機会のないラボモジュール内を見られるのは興味深い経験でした。小さい男の子が立っているところ、窓があり、ISSから地球を見たら、という疑似体験ができるようになっていました。
ボクはどちらかというと宇宙の方が興味が強いのか、ここで結構過ごしました。
PERSONAL COURAGE WING
さて、続いてやってきたのは第一次世界大戦、第二次世界大戦関連の展示がある、「PERSONAL COURAGE WING」。
飛行機の歴史において「戦争」というキーワードは避けて通ることのできないものですが、やっぱりあまり直視したくない部分でもあります。
人によっては、「この戦闘機カッコいーー!」という目線で見られるかも知れませんし、歴史を学ぶという目線で見られるかも知れませんが、ボクはサーーッと見てしまいました。
歴史の一場面に間違いなく存在した、「戦闘機」。
戦争関連の展示だけあって、飛行機以外の資料も充実していました。このエリアは2階建てになっていて、1階が第二次世界大戦、2階が第一次世界大戦と分けて展示されています。
SPACE GALLERY
最初の「GREAT GALLERY」や「PERSONAL COURAGE WING」があるエリアとは道を挟んで西側にある建物に「SPACE GALLERY」があります。
道の上には近未来的なデザインの橋を渡って行きます。
その名の通り宇宙がテーマのギャラリーのど真ん中には訓練用に使われていたスペースシャトルのモックアップがデーンと飾られています。
既に退役済みのスペースシャトルですが、1981年から2011年まで、のべ135回宇宙へと旅をした近代宇宙開発に関わる重要な航空機です。
制限はありますが、そんなスペースシャトルの一部を間近で見られるのは貴重な機会。
SHUTTLE TRAINER TOURS
そんな「SPACE GALLERY」で体験できるツアーに、「Shuttle Trainer Tours」(シャトル・トレーナー・ツアーズ)というものがあります。宇宙飛行士たちが実際にトレーニングで使用したこのモック機内を見たり、体験したりできる最大6名という小グループ向けの30分ツアー。
メンバーじゃない大人は$30という安くはない参加費用がネックでなかなか敷居が高いツアーですが、今回レビューの意味も含めて参加して来ました。
こちらについては別記事で単体で書いていますのでそちらで詳しくどうぞ!
宇宙飛行士の訓練を体感!「Shuttle Trainer Tours」 at Museum of Flight
AVIATION PAVILION
さて、「SPACE GALLERY」を北側に出ると屋根付きのオープンエアスペースが広がります。
「AVIATION PAVILION」と名付けられたこのエリアには大型の航空機、戦闘機などが19機飾られています。
「ボーイング」と言えば、”ドリームライナー”と呼ばれる787型機を始めとする大型旅客機で有名ですが、戦闘機を作っている企業でもあります。
日本に原爆を投下したことでも有名な、「B-29」という名称は日本で育った人なら誰もが聞いたことのある戦闘機の名前だと思いますが、この「B-29」の”B”は”BoeingのB”なのです。
ちょっと写真を撮り忘れてしまったのですが、ここには他にも音速飛行機として有名なコンコルド機や、上記の”ドリームライナー”試験機第3号である787などたくさんの展示がなされています。
コンコルドは内部も見ることができ、コックピットも見られます。
今はセキュリティー上の都合でなかなか航空機のコックピットを見ることができないためこういうのが見られるのもこういう博物館ならでは。
OTHER AIRCRAFTS
特別名称がない様ですが、エントランス脇にも航空機が飾られています。
こちらは昔の「エアフォース・ワン」(Air Force One)。ご存知大統領専用機です。
ボーイングの「707-120」がベースとなる最初のジェット機版のエアフォース・ワンです。
厳密には、定義上、大統領が乗っている航空機のことをコールサイン上、エアフォース・ワンと呼ぶわけで、これらの航空機自体をそう呼ぶわけではありませんが、大統領は多くの場合これらの専用機で移動するため、事実上、これらがエアフォース・ワンとなっています。
展示機は中も見ることができ、当時の大統領がどの様な移動手段を使っていたのかを知ることができます。
時代を感じる通信室。今の最新版専用機はもっと今風な内装、装備なんだとは思いますが、時代を感じることができるのも博物館の醍醐味です。
i360 FliGHT SIMULATOR
場所は最初の「GREAT GALLERY」に戻りますが、最初に書いた館内有料アトラクションの一つ、「i360 Flight Simulator」を楽しんだのでそれも紹介します。
こちらは館内で一番人気のアトラクションで、最大2名で乗り込める操縦シミュレーター。2人で乗った場合2人で$18の搭乗料と安くはありませんが、なかなか楽しそうなアトラクションだったのでやって見ました。
残念ながら体験中画面はご紹介できませんが、上の写真の様な先がとんがったデザインのカプセルに入って操縦体験をする感じです。
事前に手前にある操縦練習機で練習した上で、このカプセルに乗り込みます。
このカプセル、名前に360とある通り、360度クルクル回転するため、帽子やカチューシャ、ポケットに入っている財布やスマホなど、すべてロッカーに預ける様に指示されます。体験したあとなら、その指示に従わなくてはいけない理由は簡単にわかります。
操縦体験ですが、操縦する機種はすべて戦闘機。離陸後、敵機が現れ、戦闘が始まります。操縦が下手だとクルクルまわりまくって訳が分からなくなりながらも敵機を探して撃ち落そうと試みます。
試みますがそう簡単に落とせません。
飛べない豚、ただの豚を体験した感じでした(笑)。
総括
いやいや、長くなりました。今回の記事、写真約30枚で紹介しています(笑)!
館内には他にも「RED BARN」という展示室で聡明期からの飛行機の歴史を知ることができるエリアもありますし、カフェテリアや、有料ですが特別な映像ストーリーを楽しめるシアターもあるので、これだけ長い記事で紹介してもカバーしきれていません!
お土産コーナーも充実
どうしてもボーイングの工場見学の方が有名で、そちらに引っ張られがちであまり脚光を浴びないこの博物館ですが、行ってみて予想よりはるかに楽しかったので今まで行かなかったことを後悔しました。
教育的にも非常に充実した施設ですし、飛行機好きじゃなかったとしても色々な角度から興味を惹く展示が多数あり、1日中いても楽しめるかも知れない素晴らしい施設でした!
「トリップアドバイザー」にはシアトル観光2位とありますが、地球の歩き方ではそこまで取り上げられていませんし、観光業に携わっていた時もそんなに注目さている感はなかった施設ですが、これからは色々な人にオススメしたいなと思いました。
スタバ一号店やMLB観戦には及ばないかも知れませんが、時間があれば是非行ってみてください!
Museum of Flight
Location: 9404 E Marginal Way S, Seattle, WA 98108
Phone #: 206-764-5720
URL: museumofflight.org
Comment 気軽にどうぞ!!