3月プログラムのキャンセルについて思うこと〜ここからどこに向かうか

EXSのLeoです。

世界的にコロナウイルスが蔓延していて今後どのようなことになっていくのか誰もが不安な中、おそらく日本から海外に行くという春季研修のほとんどがキャンセルになったことと思います。

EXSで企画したプログラムもキャンセルを余儀なくされ、率直に胸が痛すぎて防ぎこみがちに過ごしています。

外出も控える方が良い情勢で週末ということもありすることがありませんので現実逃避の意味でも寝て過ごそうと早々に眠りにつくと、夢の中で研修参加予定者たちが楽しそうにアメリカで過ごしていて、目が覚めるとそれが実現できないことだと思い出さされてただただ胸が締め付けられるだけです。

ボクの目指した世界

小さいながらに着実に進んできたEXSですが、目指していたところは明確です。

いくつかゴールはありましたが、ひとつはアメリカから誘致した留学生に刺激を受けた日本の学生がアメリカに会いにいくという形です。昨年、すでにその形は実現していましたが、今年、やっと学校の正規プログラムとして認められ、そして1ヶ月という一般的には長い研修を実現する直前までこぎつけていました。

参加予定者たちは何度も事前学習をし、1ヶ月に備えたくさん頑張って来ました。

彼らにはそれぞれ目的・目標があって、少しずつ違うところを見ていたかも知れませんが、共通するものがありました。それは、「夢を持っていた」ということです。

留学生にまた会いたい!彼らの”ホーム”が見たい!アメリカという国を知りたい!アメリカの学校に通ってみたい!アメリカの友達が欲しい!どんな夢でも、その全てが尊いのです。

ボクは、いくつか目指すゴールがあると書きましたが、もうひとつがこの、「若者たちが夢を持てる世界」作りでした。

夢を持てる世界

日本が全くダメというわけではありませんが、日本で過ごす若い世代が夢を持てるイメージがなかなか湧きにくいというのが正直な想いです。むしろ、現実的でないレベルの場所を目指していたり、夢を描いていたりすると、カッコ悪いというか、恥ずかしい、周りから少し冷めた目で見られてしまうイメージです。

歌が大好きで、歌手を目指してYouTubeに載せ続けているという高校生がいたとして、本当にびっくりするほどうまかったらまだ支持を得られるかも知れませんが、あまりだったらきっと、「身の丈を知れ」とか、「下手くそなくせにバカだな」と思われそうじゃないですか?でも、ボクは上手かどうかより、夢を持てるかどうかの方が大事だと感じ続けているのです。

確かにこの例だと、夢にたどり着ける確率は歌が上手い方が高くなるでしょう。でも、歌が上手いという基準は誰が決めるのでしょうか?聴く人が聴きたいと思う歌かどうかという要素の100%が歌唱力じゃないと思います。

叶えてあげられなかった

ボクは、キラキラした目で未来へ向かう若者たちを見るのが大好きなんです。

時には勘違いしてんなーこいつ、という子や、もう少しこうすればいいのに、と思わされる子もいます。でも、ボクができるちょっとしたことで彼らの人生が変わるような機会に出会わせてあげられるのなら、それ以上の喜びはないなと思って今の仕事を続けてきました。

ここに至るまで、苦難の連続でした。

順風満帆という言葉がありますが、向かい風ビュンビュンだし、帆は破けるし、波は荒れるし、かと思ったら急に凪になったり、乗組員に裏切られたり、でも気がついたら目的地の島が見えていた!そんな航海でした。

もう目的の島がそこに見えていて、あとは少しだけ手漕ぎで進むだけ、、、だったのに、急な嵐で島には入れなくなってしまいました。

ボクがふせぎ込んだと書きましたが、学生たちの落胆はもっとだったことでしょう。

想像してみました、同じ業界で働くどれだけの人がボクくらい感情移入して”しまっている”のか。

これはあくまで仕事です。どちらかといえば、収益が減ったり、赤字になることが怖いというのが妥当な目線ではないか、と。そしてボクにも確かにそれはあります。結構深刻でもあります。でも、それでも彼らの落胆、”彼ら”というのは参加者だけじゃないんです。受け入れ側の学生もなんです。ボクの目指した世界は、相互行き来で、受け入れ側の学生とのコミュニケーションも深いため、彼らがどれだけ待ち望んでいて、そしてどれだけ準備に奔走してくれていたのかを知っているからです。

ウイルスの蔓延という個の力ではどうにもできない問題です。しかし、ボクの失敗だと感じずにいられません。これを書いている今でも本当だったらあそこでああして笑顔でいる子供達がいたはずだ、という想像が脳を占拠していて辛くて涙が出ます。

そしてそれを実現することができなかった自分の無力にやり場のない怒りと失望感を覚えます。

ここからどうするか

どんな人生でもリアルに順風満帆というか、一生いいことが続きまくるということはないはずです。

プロ野球選手になって、一年目からレギュラーでタイトル総ナメ、初年度から優勝、MVP獲得、そしてそこからプロ人生18年ずっと優勝しました。なんてそんな人生ないです。あのイチロー選手ですら、メジャー初年にリーグ記録の勝利数、MVP、新人王を獲得するなど華々しくデビューしたものの、ワールドシリーズには出場すらできませんでした。これは個人の力ではなくチームの力が関係する部分でもあるので、個人の努力だけではなく、運やタイミングの問題もあり、イチローも悔しいでしょうが、自分でどうにかできない壁だったことでしょう。

ボクは目指したい世界を”目指せる”だけでも今の環境は幸せなのかも知れないと感じています。

例えばボクの年齢だったら結婚して、子供がいてもおかしくないわけですが、守るものがある場合、博打みたいな人生送ってられないかも知れません。子供を育てなきゃなりませんから。夢を見るために結婚していないのかも知れませんが、自分の責任で全て賄える今の立場にいられて、そして社内・外でボクの想いを支えてくださる方がいるのはとても幸せなことです。

だから、進み続けるしかないのです。

前澤ファンドに応募した話

こんな場所でこのタイミングで書くことではないのかも知れませんが、先月「前澤ファンド」というものが発足、名前の通り元ZOZOの前澤友作氏が立ち上げた企画で、「10人の起業家に10億円投資します」というものです。

企画発表(募集開始)から応募期限までが1週間強という短い募集期間で、しかも投資額が10億円というすさまじい規模であることから”スピード感”と”爆発力”というイメージがある企画でしたが、ボクはすぐに、「これはボクのためのファンドだ」と感じ、応募に備えました。

書類審査→スタッフ審査→前澤審査というフィルターを通り抜けてやっと選ばれる狭き門です。応募前にボクが想定したより多くの申し込みがあった様子ですが、直感で、ボクを未来につれていってくれるものだと感じ、このファンドの力を借りて夢の未来へたどり着く日が楽しみで仕方なく感じていました。

かなりのボリュームの応募があったため、書類審査の結果すらしばらく来ないのかなと思いますが、選ばれた暁にはかなりのスピードでことが進むと予想しているので今もその時に備えているところですが、タイミングが合えば実際の研修の様子をシアトルでご覧いただきたいなと思っていました。若者たちが夢を見られる世界作り、に関心を持っていただけ、サポートしてもらえたら、と思ったからです。

残念ながらこの3月にそれは叶いそうにありません。

しかし、まだ諦めていません。

コロナウイルスについて楽観的なことは何も言うべきではありませんが、1ヶ月規模の企画は死んでしまったけれど、GWになんとかリブートできないか、、、というのが今頭にある企画です。

GWにリブート

費用は度外視できれば、、、いいのですが、そこはうちの財力によります。のでまだわかりませんが、理想の未来はこうです。

ゴールデンウィーク、コロナは収束しており、6人の高校生たちは期間は短縮になるがシアトルに行きます。学校との相談にもなりますが、この事態です、大人の対応として約1週間規模の公欠を与えてもらいます。

GWのピークより、前に出発、後に帰国の2週間強の旅程でシアトルに行きます。1ヶ月とはそりゃちょっと違ってきますが、来年まで待つことなく数ヶ月の遅れだけでなんとか彼らの夢を形にします。参加者の中には来年が想定できない子もいるし、アメリカ側の生徒の中には6月で卒業してしまう子も少なくないのです。

これは全て、コロナが早期収束しているという希望的予測のもとになってしまいますが、もしそうなった時に動けるように準備するのがボクの仕事です。

「ピンチをチャンスに」

そしてこのdelay(遅れ)がむしろよかったと思える未来は存在します。

それが前澤ファンドです。

正直、ここまで辿り着けたのは自分の頑張りもあったと思うのですが、それ以上にボクを信じて、サポートしてくれたたくさんの人々のおかげなんです。

この仕事をしていて幸せに感じる最大のことのひとつが、「人の優しさ」に触れられることなんです。

性善説・性悪説を話する気はありません。しかし、ボクは人は元来優しさで支え合ってここまで発展してきたのだと信じたいなと思っています。

前澤氏の普段の振る舞いについては賛否あり、ボク自身も全てをいいなと思うわけではありませんが、今回の前澤ファンド企画は、社会貢献意欲ある人を探していると謳っていて、その点と、少し前にツイートで発言されていた、お金を持ったものの責任として、『社会のために役立たせんと』、『持ったら持ったで責任重大やでー!』というものを元に今ボクがやろうとしていることに響き合っていただけるのではないかと考えました。

前澤が出会いたいのは、夢ある事業プランやアイデアを持ち合わせた、挑戦意欲と社会貢献意欲の高い起業家です。募集記事より)

3月にプログラムが予定通り実施できていたら、それは最善だったかも知れませんが、それができなくなり、参加予定者たち、アメリカの学生たち、関係してくださった多くの人が悲しんでいます。もちろんボクもです。

しかし、前澤ファンドがボクにチャンスをくれることで、取り返せると思うので、これを取ってもわかりやすい第一例として実現させられれば、前澤氏に取ってもこのファンドの意味や意義を世間に伝えられる格好の題材にできますし、ボクが実現したい世界を多くの人に知ってもらえる機会にできます。

ファンドはお年玉企画とは違い、融資して、いずれ回収するのが目的ですから、くれるわけではありません。ですが、最初の爆発的スタートとして、”夢ある若者への投資”として、採算度外視で6人をシアトルに連れていってあげられるのはもう前澤ファンドくらいしかないと思い、投資額としては数百万円になるかも知れませんが、ファンドとEXSの力でGWに彼らをシアトルに連れて行くのがボクの次の目標です!

風前の灯

とはいえ、「取らぬ狸の皮算用」に踊り狂うわけには行きません。

今回のキャンセルはこの業界では最悪中の最悪の出来事であり、銃乱射事件や自然災害以上に重大な出来事です。

プログラム中に誰かが亡くなったり、それに近いダメージを受けることよりは何倍もマシですが、会社としては想像が追いつかないくらい大変な状況でもあります。

約1週間前のツアーキャンセルはなかなか起こらないことです。もちろんその想定も持って仕事をしなくてはいけませんが、EXSのような元から吹けば飛んでいく、わらのおうちより弱い組織は、この事態に息ができているのかすらわかりません。

もちろん韓国で多くの旅行会社が倒産してると報道されていたり、うちよりは規模が大きくても悲鳴を上げている業者さんは少なくないのだろうと思います。ディズニーやUSJが2週間以上休業するそうですが、その損失は想像できない額でしょう。多くのイベントごとがキャンセルになっていて、例えばRadwimpsの野田洋次郎さんは個人事務所であるがゆえ、全国ツアーがキャンセルになった際会社が大丈夫なのか心配するツイートをしています。

超人気バンドの方ですら不安を持つ今の情勢、「EXSはもう終わった」と思う瞬間もなんどもなんどもあります。

ここまでコツコツ積み上げてきて、やっと、やっと一つの形に辿り着きそうだったのに、こんな感じで奪われてしまうのかよ、って叫びたい気持ちも湧きます。

間違っていなかったことの証明

シアトルと大阪、二つの会社で教育旅行に関わってきました。

その中で、”正しいと思ったことができない”ジレンマに悩まされ続けて、結果独立起業を選びました。

今の立場になってから、費用とかお金の面でしっかりできないことが多々あります。ボク、お金の請求が苦手なんですね。。

だからお金的にリッチに全然なれていません(笑)。

でも、お金以上に幸せをたくさんもらえるのが今の仕事やと思っていて、ずっと書いている通り、若い人たちがキラキラした目で未来を見ているのが大好きだから、とても幸せなのです。

ただし、ボクが”正しいと思ったこと”を続けて行くにはお金も必要な時があります。

前澤ファンドに対する提案書を書いている中、ボクの妄想は爆発しました。

あれもしたい、これもしたい、、、、いや、あれもやってあげたい、これもやってあげたい、です。

これまで本当にたくさんの人にお世話になりました。中にはボランティアというか、見返りを求めないサポートをしてくれる方もたくさんいました。彼らは見返りを求めていないので仮にボクが「お金が少しできたので、、」と謝礼を届けても固辞されるのではないかと思います。でも、例えばアメリカで頑張って日本語を教えてらっしゃる先生方。アメリカの教師は他の職業と比較して給料は良くないと言われて続けています。日本ほどステータスというか、偉い仕事と思われないとも聞きます。しかし、日本語を教える中で日本の文化を伝え、日本を好きになってもらおうと熱心に頑張っておられる姿をずっと見てきました。ボクは、そんな先生方を尊敬しているし、いつか恩返しがしたいと思い続けてきました。そしてボクができる恩返しの一つが、日本の高校生たちを連れて行くことでした。

一般的には、日本からアメリカ向けの研修旅行で現地校手配するのはたいへんで、一校でも確保できたらすごく大きいこと。ビジネス上のいいことがあるのでその関係を繋ぎ止めるのだと思いますが、その場合日本側からの視点ばっかりになります。一方的な利益というかメリットに偏ってしまうのです。ボクはそんなことはあってはならないと思っていて、日本の学生にとっていいことになるのはもちろんですが、彼らの訪問によって、アメリカの学生たちに最大の恩恵が与えられるような訪問を目指しています。

さらに、多くの日本語教師の皆さんは自分たちの教えの集大成として日本へ生徒たちを連れていきたいとお考えです。しかし、その場合先生方は新たな苦労が多く、実はとても大変な思いをされます。ボクはそれを少しでも負担を減らしたいと考え続けてきました。

しかし、これらの考えは、利益優先の会社にいる場合採用されません。

新しい企画を出す時、「いくらの利益が上がるのか」が最初にあるため、それをアピールできなければボツです。「別の場面でとってもお世話になっているのでお返ししたい」では不十分なのです。

お金は、あるところから引っ張ってくればいい、、、というと今で言えばウォーレン民主党候補の論に近いかも知れませんが、必ずやり方を工夫すれば、Win x Winの関係を維持ししつつ、お金がなくても研修に参加できたり、お世話になっている方々に恩返しができると思っています。

ボクにそこに至る力が足りないのが現在の現実です。その点において、とても悔しく感じますが、でも、今回実現後一歩で辿り着けなかったのは実現への第一歩だったと思っています。

ボクは間違っていなかった。

目先の利益や売り上げにばかり目をやって、”人と人との繋がり”や”人の思いやり”、”優しさ”を無視した仕事ではなく、みんなが幸せになれる美しく、そして平和な世界が必ずあると信じてやってきました。

前いたところでは証明できませんでしたが、これから必ず証明してみせる、と思っています。

でも、やっぱり今はまだ吹けば飛ぶ規模の組織で、情けないけど、明日会社がなくなってもおかしくないのは感じている次第です。

3月のプログラムがキャンセルになったことでの赤字はどこまで大きくなるか考えるのも怖いし、現地学校などとの関係を良好に維持するためにも上手に動かなくてはならなくて、ボクの力が足りるのか心配でなりません。会社の(財務的)体力が貧相なばかりに、夢と現実のギャップで息ができないのです。

これまでボクのプログラムに関わってくれた若者たちはボクの仕事を評価してくれていて、プログラムに参加できてよかったと言ってくれています。今はそれだけが心の支えと思い、9時ごろ、半額になったお惣菜を買って食いつないでいます(笑)。

この会社が消し飛んだらボクの夢も消し飛んでしまうので、なんとかやれるところまでやりたいですが、

  1. コロナの収束
  2. EXSが持ちこたえられる程度の損失で済むこと
  3. GW企画に賛同してくれる人がいること

この3点を整え、そしてhopefullyファンドの支えが得られて、この美しく尊い、夢のある世界をもっと多くの人に知ってもらえる時が来ることに期待しながら、生きて行くしかないのかな、と思います。

自分にもっとカリスマ性があれば、クラファンとかでも資金集めできたのかな、と思いつつ、、、でも与えられたものの中からできることをコツコツと積み上げて行くしかないので、このブログをここまで読んでくださった方はきっとEXSとLeoの考えに共感してくれている方々だと思うし、そういう人がいてくれるかぎり、頑張り続けようと思います。

生きてる間は、どうぞよろしく!

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