久しぶりに日本の高校で”ゲストスピーカー”をやることになったのでネタをねるねる

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久しぶりに日本の高校で”ゲストスピーカー”をやることになりました。

ゲストスピーカーや講演のご依頼はたまにいただいていますが、最近は国内では大学が多かったので”いつもの”テンプレをどの様にリモデルするか、アイデアは色々浮かぶものの、結構悩んでいます。

アメリカの高校で話をさせていただくときはいつも「日本語のクラス」か、「国際理解のクラス」なので大体は日本の紹介を中心に組み立てますが、今回のご依頼(担当の先生の狙い)はなかなか高度で、お応えできる様にこちらもちょっと頑張らないとーといったところ。

※いつものご依頼に対して適当にやっているわけではありません!!(重要w)

ということで、ちょっと頭をリフレッシュする意味も込めて記事にしてみようと思いました。

”いつもの”テンプレ

これまで日本の高校・大学としては10箇所くらいで話をさせていただきましたが、大体基本になる話があって、それを”いつもの”テンプレと個人的に呼んでいます。

1. アメリカと日本の比較

この系統の話は「国際理解」系の授業だったり、「比較文化」系の学生向けの講演で期待されることが多いので鉄板中の鉄板と言えます。

ボクのバックグラウンドを考えた時、アメリカで生まれて、日本で育って、いろんな文化がごちゃ混ぜになった中・高に通って、高校時、大学院とアメリカでも学んで、述べ10年以上をアメリカで過ごして、という感じなので比較系のネタはいくらでも引き出しがあります。

仮にパワポとか原稿が用意されていなくても1時間くらいなら話せる自信ありまくりです(笑)。

2. アメリカへ進学、就職、移住するには?

大学生向けで多いネタですが、留学思考の強い学生が多いゼミだったり、コース選択者なんかに対しての話に組み込んで欲しいと言われます。

ボクはアメリカ国籍を持っているため、高校への入学は日本国籍しかない人と比べてはるかに簡単でしたのでその経験は話してもあまり役に立ちませんが、大学院への進学時の話はまあまあ響く様です。

高校から直でアメリカの大学へ進みたいという方ではなく、大学在学中の編入学とか、期間限定留学についても応用できる話です。

あとは、「どうやったらアメリカに住めますか?」という感じの質問も多くて、住む以上、アメリカ側に仕事がないとダメですから、「アメリカでの就職」だったり、「アメリカへの移住」自体に関するネタも需要は高くなっています。

3. どうやったら英語が話せる様になるか

申し訳ないけど、個人的なは少し「面白みがない話」になっちゃう気がするのがこれなんですが、この話も高校生、特に1年生とかに向けた話の場合に先生が「話してください」っておっしゃることが多くて、一応テンプレに入ってます(笑)。

答えは明確で、「堅実に勉強すること」でしかないんですけどね(笑)。

今ボクが話したい話

さて、講演のご依頼とは、依頼主が「こういう話をして欲しい」と期待していることがあるわけで、ボクはそれにできるだけ応えなくてはいけません。

しかし、「これこれこれをこういう感じで話してください」という依頼だった場合、それなら

「俺じゃなくてええやん」

って話になっちゃいますよね。もちろん、しかるべき立場、バックグラウンドを持った人が話すから意味があるという大前提はあれど、「それっぽい人」を用意すれば体裁は作れますから。

だから、ボクはやっぱり、”今話したいこと”を伝えるために壇上に立ちます。

今話したいこと1: 考えられる人になろう

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EXSで最近進めているプログラムが、「考える力」を養うという目的を軸に据えたものなのですが、ここの欠如が結構深刻な気がしていて、これからの若者に伝えたい想いが結構あります。

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「考える力がない」という話をしても、それだけでは結構伝わらなくて、でも例を出せば「あー」ってなる、そんな感じの話です。

てことで例を出すと、例えば、学園祭向けにポスターを作ろうとした時、どんな絵柄にするか、どんな文言を書くか、色は?サイズは?何枚作る?…と決めるべきことは沢山ありますよね?

これを決める場で、生徒たちは大きく2つの種類に分けられます。

1つは、積極的に意見を出して、アイデアを出していくタイプ、もう1つは全くアイデアも何も出さない(出せない)人たち。

後者の人たちは、「こんな絵を描いて見て」とか「これだけ印刷してきて」と指示を出されるとそれはこなせるのだと思いますし、特に精度に問題もないでしょう。

しかし、例えば「この人物さ、男と女どっちがいいかな?」といった2択な質問ですらはっきり意思を示せません。もっと言うと、「どんな絵柄にしようか?」といった感じの広い質問をされたら「えっとー・・・・」と口ごもってしまって結局何も生まれません

これが、”ゼロベース”で考えることができない人たちなんです。

何もない、選択肢もない、そんな土台の上に立たされて、全く思考が働かない人たちです。

アメリカで活躍されている多くの方が、「今の日本人に多い特徴」としてこの点を指摘していて、ボクもこういう人たちに関わる中で頭を悩ませた経験は多々ありました。

人には向き不向きがあり、「適材適所」という言葉もあり、右から左の仕事を綺麗にこなす人は、その”役割”を担ってくれれば一部の考えられる人が指示を出し、社会は回るのかも知れません。

しかし、ボクはそれではダメだと思っていて、この辺、結構今話したいホットなエリアなのです。

今話したいこと2: 狭い価値観に縛られるな

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今回の案件は「国際理解」のクラスでの話で、「アメリカ的目線で見た日本」とかその辺を語って欲しいというご希望でした。

日本ベースでの生活2年目のボクですが、その辺は日々色々感じていて、それこそ厚切りジェイソンみたいに

「Why Japanese People????」

って思うことが沢山あります。

あれ、厚切り先輩、芸人のネタとしてありなんだとは思うんですが、「国際理解」的視点で話す時、あのネタって、実は「私たちアメリカ人は理解可能な生態で、あなたたちジャパニーズピーポーは理解に苦しむ異様な生態ですよ」と言ってるに他ならないんです。つまり、

自分の価値観で理解できないものを理解しようという姿勢がない人の叫び

なんですよ。

はいはい、白人様は偉いですよね

はいはい、アメリカ様は偉いですよね

って思ってしまうことがありますが、まあ、芸人のネタとして流しています。

前置きが長くなってしまいましたが、今ボクが伝えたいことその2は、「広い視野を持とう」という感じの話で、世界に目を向けたら本当に色々な価値観や文化、生態、考え方があって、日本に住んでいて、日本で”当たり前”のことが全く通用しない様なことって本当に沢山あるんですよ。

でも、日本の価値観の中で生活しているからその「違うもの」に出会うこともないし、感じることもなくて、”知らない”からどうしようもないんですよね。

今でも記憶に新しいですが、小学生の頃、遠足で電車に乗っていたら、同じ車両に白人x金髪の男性がいたんですね。それを見た周りの同級生たちが「Hello! Nice to meet you!」って話しかけたんです。

この話題をすると多くの方が、「おお、教養ある小学生」とか、「積極性が高い子供」とかその辺を評価するんですが、ボク的ポイントはそこじゃなくて、

「なんで、この白人男性が英語を話す人ってわかったの?」

という疑問が最初に湧いたという話なんです。

小学生のことです、ボロクソにいう件でもないんですが、これはシアトルで歩いていて急に「イチロー!」って声かけられることが前は結構あったのと逆っぽい話で、ボクは日本育ちの日本人でもあるのでまあ、(お前の国のスターが我らマリナーズでもがんばってるよ!)みたいなことを含めていきなりイチローって声かけてきたのはハズレではないんですけど、でも、(俺が日本人でよかったな)っていう感じの感想は芽生えました。だって、彼らはおそらく韓国人や中国人を見分けられませんから。

実際、ボクは以前韓国系航空会社の飛行機でシアトル⇆大阪の移動をすることが多かったのですが、(シアトル発の飛行機の中で)韓国人と思われるCAさんにいっつも韓国語で話しかけられて、「No, I don’t speak Korean」って毎回泣きながら言ってました。もちろん国際線のCAさんですから英語対応してくれますが、カムサムニダーとか、サランヘヨーくらいしか知らないので、全く意味不明で困ります(笑)。何が言いたいかっていうと、韓国人ですら、ボクをみて、韓国人って思って(決めつけて)話しかけてくるんですから、簡単に見分けられるもんじゃないってことです。

話が脱線しましたが、見分けられないのは当然として、でも、その「当然」を自覚していないまま、白人(or 金髪)=英語を話す人っていういわゆるステレオタイプ的なものが当時の小学生たちに染み付いていて、それこそた「偏った価値観」、「狭い価値観」だということです。

だから、厚切りジェイソンが、漢字で一、二、三の跡が4本線じゃなくて四となることを叫ばずにいられないのと同じで、自分の慣れ親しんだ価値観、考え方とリンクしないことに対して抵抗感がある理解できない、そして理解しようという姿勢になれないという現状があります。

しかし、それだと今後もずっと「井の中の蛙」でしかいられませんよね?

ぜひ、「違う」ものがこの世にはあふれていて、それを「理解する」ことの重要性を知ってもらいたい、そんな風に思っているという話です(いやー長かった笑)。

まとめ

ボクが講演やゲストスピーカーの依頼を積極的にお受けしているのは、こうした「伝えたいこと」、「話したいこと」がたくさんあって、それを発信できる機会が得られることに価値を見出しているからです。

自分のこれまでの経験、楽なことばかりではなかったですが、それらを次の世代に伝えていくとうことはボクが個人的に抱えている生きる上での”ミッション”のひとつですので、それを実現できる貴重な場としてこれからも積極的にこういう活動は続けていきたいなと思っています。

ただ、依頼主のご意向もあるので、自分の話したいこととのバランスに悩むことも少なくないのは正直なところ。

さて、約1ヶ月後何を話そうか、じっくり練りたいと思います。

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