突然ですが、「ブレインストーミング」(Brainstorming)って知ってますか?
ボクは、アメリカの学校ではもちろん、日本で大学生だった時代にも大学内で教わり、実践していたものだったので普通にみんながやることだと思っていたのですが、最近何人かの学生と話す中で、意外と日本の学生は知らなかったり、実践的に利用していないということを知って、ちょっとブログで紹介しておこうかな、と思いました。
What’s Brainstorming?
ブレインストーミングとは、集団でアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法である。
(from Wikipedia)
ウィキペディアにこう書かれている通り、グループで何かアイデアを生み出したいという時に有効とされるテクニックのひとつで、頭に浮かんだことをどんどん出して行き、まさに脳内に嵐を起こした様にアイデアを絞り出す感じにボクは捉えています。
主に会議の場で使われるもので、集団思考、集団発想法、課題抽出ともいうそうです。
How to?
やり方は簡単。
示されたテーマについて、参加者全員が「自由に」アイデア(意見)を出していくだけ。進行(取りまとめ)役を決めておき、ホワイトボードや黒板、大きな紙などに出て来たアイデアすべてを書いて行きます。
これがよくあるやり方ですが、このテーマを前もって周知させるパターンもあれば、その場で与える場合もあったり、人数制限もないですが、多くの場合5〜7人ほどが適切と言われているなど、決まったやり方、こうじゃなきゃダメ、というのはある様な、ない様な、という感じです。
しかし、これだけは絶対!というルールが4つだけあります。
4 Rules
- 絶対に批判しない
- 自由奔放にアイデア・意見を出す
- 質よりも量を大事にする
- アイデアを統合し発展させる
1. NO批判
ブレインストーミングの肝は、なるたけ多くのアイデア・意見を絞り出すことにあります。そのため、誰かの声を批判することはご法度!それをしてしまうと萎縮するものも出てくる可能性があり、2の「自由奔放」にアイデアを出し合うことに障害が生まれます。
例えば、「学園祭の出し物」というテーマで「天ぷら屋さん」というアイデアが出たとして、
「油物は大変だよ」とか「学校の許可が出ないのでは?」
ということは思ってしまうかも知れませんが、口に出してはいけません。ただし、「油物って大変だけど、対策は考えている?」など、発展的な声は大丈夫です。
2. 自由奔放に
ブレインストーミングでは、普通の会議では出てこない様なアイデアを抽出することを目指しますので、一見「馬鹿げている」様な声がウェルカムなのです。例えば、同じく学園祭の出し物を考える会議なら、焼きそば屋さんやお化け屋敷など、誰もが見たことがあるものではなく、
「水道水を売る」
とかどうですか?
「まさかの??」というアイデアですが、ブレインストーミングではこれが”答え”ではなく、ここから発展する展開が大事なのでこれでいいのです!
水道水→水って大事だよね→暑い日だったら喉乾くね→飲み物屋さんはあっても冷えてないかも?→じゃあ、氷だけ売る?
こんな感じで発展させていくわけです。
3. 質より量
なので、ひとつの声が正解である必要もなければ、質が高い必要もなく、質よりも数が物を言うのです。
4. 結合発展
そして、数出た声を増幅的に発展させるため、誰かの意見に1mmでも何かを思ったなら、即乗っかる。これが大事なのです。批判的意見は無しで、ですが。
これにより、先ほどの例でもあった通り、水道水を売るという声に対して、「水が大事」と展開、そこから「暑い日には喉が乾く」、「飲み物は売れそうだけど、自分たちは氷だけ売ろう」と発展させたわけですね。
Let’s Brainstorm
そんなブレインストーミングですが、実際やってみる場合何がいるのでしょうか?
- 広めの場所
- ストップウォッチ
- 白板や大きめの紙
- ポストイット(なければメモ帳)
- 太めに書けるマーカー
これに会議に参加する人間が加わればブレインストーミングは始められます。
「リーダー(進行役)」と「タイムキーパー」、場合によっては「書記」を設定し(同一人物でもオッケー)、テーマを投げれば開始できます!
流れは以下の通り。
● 会議の予定時間と目標アイデア数を提示
● 各参加者がポストイットにアイデアを書き始める
● 順次意見を発表していく
こんな感じです。
リーダーがテーマ等を発表したら、まず最初の3分〜5分程度はひたすらテーマに対するアイデアをポストイットに書き出し続けます。
それを、リーダーの仕切りで発表していくのですが、ここで、リーダーに求められる能力というのがあります。
リーダーに求められる能力とは
リーダーはリーダーですから、それなりの大役と思いましょう。
リーダーに求められるのは、バラエティ番組なんかの進行役、つまりMCと言われるポジションをこなす芸能人の様な、力です。
コミュ力が高く、何十人と言う大人数ではないもののその場をしっかり見渡せて、仕切れる人でなくてはいけません。
ただ単に会議を進めていくだけではなく、皆がリラックスして明るい気持ちでどんどん意見を言える様な空気を作ることも求められています。
どんな人がリーダーになるかは、ブレインストーミング成功の大きなキーです。
一巡アイデアが出回る間、他の参加者は発展させられそうな意見を絞り出します。乗っかれそうな意見があれば食いつく準備をしています。
順番に意見を出して行く中で、もし乗っかりたいアイデアが出てきたら、順番関係なく発言してもOK。
ただ、逆に自分の順番が回ってきた場合も基本的には何か意見を言わなくてはいけません。馬鹿げていても、中身がない様に感じるものでもなんでもいいので言えることが求められています。
だいたいこれが3周くらいすれば、5人でも20〜25くらいのアイデアが出ているはずで、目標に達していればブレインストーミング自体は終了です。
KJ法でアイデアをまとめる
ブレインストーミングとはアイデアを絞り出す手法です。
このままではたくさんの意見が出ていますが、決め事には至っていません。
そこで「KJ法」というやり方で出た意見をまとめるのが一般的です。KJ法とは、考案者の川喜田二郎氏の頭文字から名付けられています。
時間に余裕がある場合、ブレインストーミング実施の翌日以降にKJ法を使いましょう。これは、嵐の様に意見を出しまくったあと、一旦間を空けて、冷静でフレッシュな頭で出た意見を精査するためです。
KJ法の手順
KJ法は以下の手順で進めます。
1. カード作り
ブレインストーミングで出たアイデアの全てを1カード1アイデアで個別に書き出します。
ボクは元からポストイットにアイデアを書くやり方をするのでカードはポストイットのまま流用しています。
2. アイデアのチェック
出たアイデアをよく見て、似た意見、同義の意見をまとめていきます。
ここに至っては「批判」は解禁となっているため、現実的でない意見は消してもOK。また、ダブっている意見やほぼ同じことと認識できるものもまとめてしまいます。逆に削りすぎてしまわない様にしなくてはいけないので、ここはセンスが問われます。
3. グループ化
過不足なく整理ができたら今度はそれらをグループ分けしていきます。
この分け方にもセンスが必要ですが、各グループ7つ以下でグループ化できる様に注意しながら上手に分けていきましょう。
4. ネーミング
グループができたらそれぞれに名前を与えます。
学園祭の出し物だったら、「飲食系」と「体験施設系」、「販売店型」などに分かれて行くでしょうか?
5. 結論
実はここから先はアウトプット次第な部分もあって、例えば学園祭の出し物を決める場合、こうして出てきたアイデアの全てを対象に多数決投票ということで会議の「結論」にする場合もあれば、「ある商品のターゲット層」を考えるブレインストーミングの場合、まとまったグループそれぞれを見て、改めて会議を始めるという場合もありえます。
LEO的使い方
ブレインストーミングにしてもKJ法にしてもネット上で調べてみると色々なやり方で紹介されていて、もしかしたらボクの情報も考案者からすると「そうじゃない」とお叱りを受けるかも知れません。
しかし、ここではLeo的使い方として、ボクがこれをどういう風に活用しているかをご紹介しておきますね。
1. 新事業のアイデア探しに
まずはビジネスシーンでですが、新しいプログラムを開発したり、事業展開したい時に社内のみんなでやってみます。
テーマ設定は、「新しいプログラム何する?」という広い場合もあれば、「高校生向けプログラムとして何かある?」といった感じで少し狭い設定の場合もあります。
2. LINEスタンプ企画
ボクは今、「オレサマライオン」というLINEスタンプを売り出していますが、次のシリーズを作りたいなーって考えていました。
そこで、どんな絵柄(文句)のスタンプを作ればいいかなーってなった時にブレインストーミングをしました。
ただし、一人で。
ブレインストーミングのいいところは、複数人のアイデアが増殖効果でどんどん膨らむことにあるのですが、実はボクは一人でも意味がある手法と思っていて、この時はポストイットにどんどん絵とシチュエーションなどを書き出していきました。
KJ法では、「挨拶系」とか「報告系」など分かれていきました。
もちろん複数人でする方が効果が高くなるはずですが、一人でやってはダメというわけじゃないかな?と思っています。
3. 学生に将来を思い描かせる
再び一人プレイ。
これは、将来の進路に悩む学生に対して実施することが多いやり方ですが、将来自分がなりたいもの、なれそうなもの、なってもいいもの、何でもかんでもをポストイットに書き出させます。
それをKJ法の応用的なやり方で、何系の仕事かなどに分類させ、さらにそこから、実現性や自分がなりたいと思えるか、思えないか、など複数回分類作業をさせることで、自分の中に眠る夢だったり、将来へのビジョンを呼び起こさせるアクティビティとしています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
冒頭にも書きましたが、ボクは多くの人がやったことがあると思っていた手法でしたが、知られていないのは本当に意外でした。
しかし、上手くやれば(やれているかわかりませんが、、)ボク流の応用の様に幅広い使い道があるブレインストーミングは知っておいて損はないものだと思います。
先にも書いた通り、ボク自身何か勘違いしている場合もあるのでその際は申し訳ありません、という感じですが、自分の中に眠るアイデアや想い、考え、情熱などに気づけるきっかけにもできる(とボクは思っている)ブレインストーミングですので是非試していただければと思います!
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